下値不安と景気対策・金融政策の攻防
米国経済は依然厳しい状況で、先週発表の2月失業率は8.1%と25年ぶり水準。
非農業部門雇用者数は前月比65.1万人減少14ヶ月連続減少と戦後最悪ペースです。
最近発表の景気指標も、2月製造業景況感指数が前月比+0.2%だったものの、
2月非製造業景況感指数-1.3%、1月新築一戸建て住宅販売-10.2%、1月鉱工業
生産指数-1.8%と需要減退の実態を示しており、10-12月米主要企業500社の最終
赤字は1800億ドル(約17.6兆円)に悪化しています。
GMは先週米証券取引委員会(SEC)に提出した年次報告書で「事業継続能力
に重大な疑念」と表明し、再建計画に失敗した場合には、米連邦破産法適用申請
となる可能性を含んでいます。
世界的な金融危機に対する主要国の金融機関への公的資金資本注入は100兆円
近い規模に迫り、
米国 7650億ドル(74兆円)・・・シティグループ :450億ドル(4.4兆円)
バンクオブアメリカ :450億ドル(4.4兆円)
ファニーメイなど住宅金融公社 :4000億ドル
欧州 約16兆円 ・・・・英国:RBS、ロイズなど3行 370億ポンド
(5兆円)
仏 :BNPパリバなど大手6行
210億ユーロ(2.5兆円)
ドイツ:コメルツ銀行 182億ユーロ
(2.2兆円)
スイス:UBS 60億スイスフラン
日本 注入枠12兆円・・・札幌北洋など検討
という状況。さらにAIGは2008年最終赤字が992億8900万ドル(9.6兆円)と
22年間の最終利益合計に相当する巨額の赤字。米政府は4回の支援により損失
処理費用を供給する姿勢を鮮明にしました。AIGは住宅ローン担保証券
(RMBS)をFRBの受け皿会社に移し、昨年9月に640億ドルあった残高を
12月末までに5割減らしたものの、CDS(クレジットデフォルトスワップ)
契約は昨年9月時点の8割が残り、損失処理は半分にも達していないようです。
オバマ政権は官民共同ファンドでの銀行不良資産最大1兆ドル引取りを発表しま
したが、まだ民間出資者などの具体的内容は明らかになっていません。
【『相場の女神マル秘投資術』終了のお知らせ 】
長い間ご愛読いただきました「相場の女神マル秘投資術」につきまして、
誠に勝手ながら今回をもって終了させていただくことになりました。
皆様のご支持によりこれまで掲載できましたことを感謝しております。
本当にありがとうございました。
今後は、(株)ザイナスのホームページに掲載中の
をご覧頂きますようお願いいたします。
2009年3月9日 (月曜日) 17:31
世界的景気減速の対策と調整中の市況
米国の住宅ローンバブル崩壊とリーマンショックに端を発した、世界同時景気
悪化の実態が明らかになるにつれ想像以上に深刻な実態が浮き彫りになり
ました。
2008年10-12月期 主要国の実質GDP成長率
前期比年率 米国 -6.2%
日本 -12.7%
ユーロ圏 -5.9%
インド 5.3%
中国 6.8%
米国は、オバマ政権の金融安定化策、景気対策、雇用対策の相次ぐ発表に
より、市場の注目点は、それらの効果が今後どのように出るか、内容の詳細が
そのように実行されるかに移ってきており、さらに悪化を続ける経済状況に
対して、シティなど金融機関とGM等の大手企業業績動向に再び集まってきて
います。
大手銀行対象に資産査定の健全性審査(ストレステスト)を実施した米政府
は、金融機関全体に数千億ドルの資本不足可能性を指摘、さらにシティグループ
が2008年の最終損益で377億ドル(約2.7兆円)と拡大、米財務省は追加支援策と
して政府保有優先株のうち最大250億ドル(約2.4兆円)を普通株に転換し、最大
36%保有により実質政府管理下において、金融安定化策の具体的再建段階に進み
ました。
GMは2008年最終損益が308.6億ドル赤字(約3兆円)となり4年連続の赤字
計上。2008年末の債務超過は861億ドル(約8.4兆円)、政府からのつなぎ融資
134億ドルを現在まで受けており、さらに166億ドルの追加融資を要請。
NYダウは金融機関、企業の先行不安と足元景気実態の悪さを嫌気して先週
12年ぶりの安値をつけました。テクニカル的にもNYダウは月足がデッドクロ
ス手前であり、あと数ヶ月は下げ圧力が強いものと思われます。