掉尾の一振が成るか
波乱続きの2008年相場は余すところ、あと僅かとなりました。
「年末にかけ株高になる現象」という、理屈ではなく経験則(アノマリー)か
らくる<掉尾の一振>が今年も成るか、期待したいと思います。
【1】日経平均など、「底値圏」で「買転換」示現
(1)大納会にかけての1週間の日経平均をみますと、2005年は136円高、2006年
は214円高、昨年は263円高であり、平均上昇率は約1.3%で3年連続プラスとな
っています。<掉尾の一振>は新年相場への期待感が働くとか、機関投資家の
年末ドレッシング買いが出るとかいわれていますが、今年の年末も期待したい
ところです。
(2)カギ足チャートでみて、日米主要株価指標は「買転換」継続中です。
日経平均は12月10日(8,660円水準で)、TOPIXは8日(812pts)に、またNYダウ
は11月26日(8,727ドルの水準で)、NASDAQは12月5日(1,509pts)でそれぞれ
「底値圏」で買転換していて心強い限りです。
(3)また日経平均は下値切り上げのパターンとなっています。1番底10月25日
の7,000円割れ(6,994円)、2番底は11月21日安値7,406円を形成しており、この
ダブルボトムを結んだ下値抵抗ラインが日経平均の下値をサポートしていると、
考えられます。
(4)個人投資家、18年ぶりの「買い越し」へ
投資主体別売買動向を年初~12月2週まで累計しますと、個人の「買越額」は
1兆2,407億円と1990年以来18年ぶりとか。過去最高の90年の1兆3,700億円を上
回るペースの模様です。これまでの買いの主役であった外国人投資家は金融市場
混乱から日本株売りが目立ち、一方個人は<100年に一度の株式下落>による
「割安感」と「高配当利回り」から買い姿勢を強めているようです。特に年央
あたりからネット証券での個人口座開設ラッシュ現象がその象徴とみられます。
(5)業種別株価のカギ足チャートでは「明・暗」2分しています。現在「買転換」
業種は小売、パルプ・紙、鉄鋼、造船、電機、銀行など17業種あり、一方「売転換」
業種は機械、商社、水産など19業種にのぼります。「買転換」業種は先々週末の
8業種から倍増して、マーケットに「明るさ」が期待されます。
【2】具体的政策進展に着手・・・小雪舞うウォール街にX’マスプレゼント
(1)米自動車ビッグスリー救済へ。
先週末19日に米政府は174億ドル(1.5兆円)の支援を決定しました。29日にGM,
クライスラーに各40億ドル第1次融資、年明けの1月16日にGMに54億ドルの第2
次融資、20日のオバマ新大統領就任後、2月17日にはGMに40億ドル第3次融資まで
救済をめぐる動きがあるようです。
ただし両社はUAW(自動車労組)との合意や負債圧縮計画を3月31日までに米
政府に提出の予定です。「再建」不可能との時は融資返済を求められる条件の模様で、
予断を許さない状況です。
(2)「デフレ回避」の追加的利下げ・量的緩和
先進国では、12月11日スイスが0.5%下げ政策金利0.0%~1.0%に、16日FRBが
FFレートを年1.0%から0.0~0.25%として実質ゼロ金利にしました。英国も2.0%
に、ユーロ圏も2.5%と低金利状態です。
欧米各国は長期国債・住宅担保証券の政府購入および金融市場への必要な資金供給
を実施していく方向にあります。
(3)ただし、世界的な金融危機は根が深そうです。クレディ・スイスは米国の
金融機関が持つ金融損失額は9,000億ドル(約81兆円)にのぼると言われています。
米政府が用意する公的資金を上回る模様です。他の国も大同小異の金融リスクを
抱えており、金融危機解決への動向に今後も注視したいものです。
(4)わが国の家計金融資産は最大の減少とか。16日発表した日銀9月資金循環
統計をみると、金融資産は前年同期末比5.2%減の1,467兆円と1,500兆円の大台
を割り込んでいます。減少率は79年度以来最大の模様です。
減少した「パイ」が2009年に増えるかどうか注目したい。新春恒例の「歌会始」
のお題は「生(せい)」。2009年相場にお題の「生」のジンクスが生きるかどうか
いまから注目していきたい。
<100年に一度の危機>からの生還となることを祈念している。
【3】主要な経済スケジュール
12月23日(火)米7~9月GDP確定値(前期比年率-0.5%予想)
米10月住宅価格指数(前月比-1.3%予)
12月24日(水)株券電子化に伴う売買最終日(18銘柄、~30日)
11月自動車大手5社の生産販売実績
12月25日(木)香港・欧米市場休場(クリスマス、香港~26日)
11月住宅着工、11月自動車生産・輸出実勢
延長国会会期末
12月26日(金)日本11月失業率、11月消費者物価、11月鉱工業生産
2008年12月10日
8,690円で買転換出現
2008年12月8日
812ポイントで買転換出現
2008年11月26日
8,727ドルで買転換出現
2008年12月5日
1,509ポイントで買転換出現
2008年9月1日
107円70銭で売転換出現
2008年11月27日
86.41%で売転換出現